
具体例1 輸出企業による通貨オプションの利用例
ドルプット、円コール
1ヶ月後に商品の受渡代金として100万ドル受取予定のA社の場合
現在の為替相場 1ドル=107円−−−1ヶ月後のドル安円高(手取り予定の円が目減りしてしまう)を回避したい
1ヶ月先に1ドル=105円でドルを売る権利(1Month 105円 ドルプット、円コール)を50銭で100万ドル分購入する。(0.50円x100万ドル=50万円、支払い)
| 1ヶ月後 | オプション | ドル売り | コスト | 結果 | オプション なしの場合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 110円の場合 | 放棄 | 市場で売却、 11,000万円 |
-50万円 | 10,950万円 | 11,000万円 |
| 108円 | 放棄 | 市場で売却、 10,800万円 |
-50万円 | 10,750万円 | 10,800万円 |
| 106円 | 放棄 | 市場で売却、 10,600万円 |
-50万円 | 10,550万円 | 10,600万円 |
| 104円 | 行使 | 行使相手に受渡、 10,500万円 |
-50万円 | 10,450万円 | 10,400万円 |
| 102円 | 行使 | 行使相手に受渡、 10,500万円 |
-50万円 | 10,450万円 | 10,200万円 |

この場合オプションの買い手(A社)は、ドル高円安のメリットを享受しながら、ドル安円高の時は最低10,450万円の手当てを保証したことになります。
ドルコール、円プット
前述のA社の場合
1ヶ月先に108円でドルを買う権利(1Month 108円 ドルコール、円プット)を50銭で100万ドル分売却する。(0.50円x100万ドル=50万円受け取り)
| 1ヶ月後 | オプション | ドル売り | コスト | 結果 | オプション なしの場合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 110円の場合 | 買い手が行使 | ドル受け渡し、 10,800万円 |
+50万円 | 10,850万円 | 11,000万円 |
| 108円 | 買い手が放棄 | 市場で売却、 10,800万円 |
+50万円 | 10,850万円 | 10,800万円 |
| 106円 | 買い手が放棄 | 市場で売却、 10,600万円 |
+50万円 | 10,650万円 | 10,600万円 |
| 104円 | 買い手が放棄 | 市場で売却、 10,400万円 |
+50万円 | 10,450万円 | 10,400万円 |
| 102円 | 買い手が放棄 | 市場で売却、 10,200万円 |
+50万円 | 10,250万円 | 10,200万円 |

この場合オプションの売り手(A社)は、売却オプションのオプション料を収益とすることができるが、ドル高円安の時の期待利益を失い、ドル安円高の時は、オプションを売却しなかった時と同様に為替変動リスクを被ります。
プット、コールの組み合わせ、ゼロコストオプション
利用例の1と2を組み合わせた方法です。
前述の A社「利用例1」のオプションを購入し、同時に「利用例2」のオプションを売却します。この方法によりオプション料の支払いと受け取りが(50万円づつ)が相殺されます。しかしオプションの効果は存在します。この方法をゼロコストオプションといいます。
| 1ヶ月後 | オプション 利用例1 利用例2 |
ドル売り | コスト | 結果 | オプション なしの場合 |
|---|---|---|---|---|---|
| 110円の場合 | 1.放棄 2.行使 |
2の相手に受け渡し 10,800万円 |
±0円 | 10、800万円 | 11,000万円 |
| 108円 | 1.放棄 2.放棄 |
市場 10,800万円 |
±0円 | 10、800万円 | 10,800万円 |
| 106円 | 1.放棄 2.放棄 |
市場 10,600万円 |
±0円 | 10、600万円 | 10,600万円 |
| 104円 | 1.行使 2.放棄 |
1の相手に売り 10,500万円 |
±0円 | 10、500万円 | 10,400万円 |
| 102円 | 1.行使 2.放棄 |
1の相手に売り 10,500万円 |
±0円 | 10、500万円 | 10,200万円 |

A社は最低でも105円で手持ちのドル売却が可能。但し、ドルが高くなったときの利益は享受できません。
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