
消滅条件付きオプション
オプション取引締結時に行使価格の他に、あらかじめ設定した条件レート(トリガー)を持ち、オプションの満期日までに市場実勢レート(スポット)がそのトリガーに達すると、そのオプションは満期日を待たずに「期限前消滅する」という条件を持ちます。(購入者の権利が消滅する)
トリガーをどちらの相場方向に設定するかで、以下の二種類に大別されます。
ノックアウトオプション(Knock-Out Option)
トリガーは、そのオプションの価値が減価する方向に設定され行使確率と消滅確率は相反関係にあります。消滅条件がつく分、オプション料はバニラよりも若干安くなります。
輸出企業(ドル売りサイド)によるノックアウトオプションの利用例
トリガーがオプション価値減少の方向に設定された、消滅条件付きオプション
| 想定条件: | 直物(スポット)、115円 | 6ヶ月先物為替水準、112円 |
|---|---|---|
| オプション: | 円コールドルプット 期間6ヶ月 |
ストライク、114.00 ノックアウトトリガー、117.00 |
| . | オプション料、2.30\/$ | (通常のオプション料、4.60\/$) |
上記条件のオプションを購入した場合。
オプション期間中に、スポットが117円に達した場合
オプションは消滅しますが、ドル債権者は直物117円でドル売り、もしくはドル高水準での先物為替予約を残存期間分行うことができます。
(例)オプション購入後、2ヶ月後にスポットが117円に達した場合、残り4ヶ月の直先スプレッドが2.00円と想定すると、115円で先物予約が可能になります。
オプション期間中に、スポットが117円まで上昇しなかった場合
通常のオプションとして満期を迎えます。
行使日にスポットが114円よりドル安円高
オプションを行使、114円で円転
行使日にスポットが114円よりドル高円安
オプションを放棄、実勢レートで円転
以上のコストが2.30円/ドルです。
リバースノックアウト(Reverce Knock-Out Option)
トリガーがそのオプションの価値が増加する方向に設定されたもので、当該オプションの行使確率と消滅確率が同方向に増減します。(比例関係にあります)そのためノックアウトオプションよりも消滅リスク(消滅したときのリスク)が高く、その分オプション料は非常に安くなります。
輸出企業(ドル売りサイド)によるリバースノックアウトオプションの利用例
トリガーがオプション価値増加の方向に設定された、消滅条件付きオプション
| 想定条件: | 直物(スポット)、115円 | 6ヶ月先物為替水準、112円 |
|---|---|---|
| オプション: | 円コールドルプット 期間6ヶ月 |
ストライク、114.00 リバースノックアウトトリガー、105.00 |
| . | オプション料、0.90\/$ | (通常のオプション料、4.60\/$) |
上記条件のオプションを購入した場合。
オプション期間中に、スポットが105円に達した場合
オプションは消滅し、かつドル相場が下落した時点でドル債権者が未ヘッジ状態となりますので、ノックアウトオプションよりも消滅リスクが高くなります。
オプション期間中に、スポットが105円まで下落しなかった場合
通常のオプションとして満期を迎えます。
行使日にスポットが114円よりドル安円高
オプションを行使、114円で円転
行使日にスポットが114円よりドル高円安
オプションを放棄、実勢レートで円転
以上のコストが0.90円/ドルです。
もし「105円までのドル安はない」と予想すれば、通常の為替先物よりもレートもよく、かつバニラオプションよりも格安に購入することが可能となります。

